幻想の夏
内容紹介
伊豆の別荘で夏の終わりを過ごす僕とあの人。 「あの人」とは父の再婚相手、つまり僕の継母だ。 父の死後、互いにいたわりつつ穏やかに暮らしていた二人の生活を壊すかのように、一台の赤いスポーツカーが別荘の前に停まった。 車から降りてきたのは亡き父の友人である小説家。 彼が来ると濃くなる「あの人」の化粧、マニキュアで染められた爪を見るたび、僕の心に何かが湧き起こり……。 本年度第45回長谷川伸賞受賞を記念し、表題作をはじめ「大衆文芸」に掲載された短編の中からセレクトした傑作ミステリー集。
収録リスト
- 短編:幻想の夏(『大衆文芸』1969年2月号)
- 短編:カードの城(『大衆文芸』1968年6月号)
- 短編:スプリング・ボード(『大衆文芸』1969年8月号)
- 短編:素晴らしき天(『大衆文芸』1970年1月号)
- 短編:わが心のサンクチュアリ(『大衆文芸』1968年3・4月号)
- 短編:刑事(『大衆文芸』1969年4月号) ※初出時タイトル『告発』
刊行リスト
- 2010年09月:徳間書店、トクマ・ノベルズ
- 2012年06月:徳間書店、徳間文庫